東京渋谷で28年続くボイトレ教室

Q 2.03 歌うと息が続かないのです。どうすれば良いですか?

バンドでもカラオケでも合唱でも、歌う時に息が持たないとメロディーの途中でブレスが必要になり、音楽の流れが途切れてしまいます。声優・俳優のセリフでも、息が続かないと不自然な所で息つぎをする事になります。

息が続かない時 足りないのは息ではない

歌うと息が続かない人に対する、一般的なアドバイスは次の3つです。

「呼吸量が足りないのです。いっぱい吸いなさい」

「腹式呼吸で吸いなさい」

「息を引き止めて少しずつ吐けば長く持ちます」

こうした誰でも思い付くような答えで問題が解決するなら誰も悩んだりしません。どの答えも、逆に混乱を深める原因となる可能性の方が高いです。吸いすぎた息は発声を非力にします。腹式呼吸も不正解です。腹式呼吸そのものが呼吸法として間違っています。

ロボットのイラスト三番目の答えは特に非常識。実践してはいけません。息を保持して発声時間が伸びたとしても、それと引き換えにもっと大事な物を失います。

息を止めた(ような)発声では声が硬質化して、艶もなくなり、何の表現も表情も乗らない、非人間的な歌になるでしょう。

ではどうしたら良いのか。

ほとんどの場合、問題は呼吸量ではないので、どんなに吸ってもやはり息は持ちません。

問題は声帯の合わさり方にあります。歌っていて息が持たない時は、閉じた声帯の隙間から無駄に空気がもれているのです。

これに対処する練習は色々ありますが、まずあなたの声が深く響く言葉や音域を見つけ、そこで練習をして下さい。あなたには少し深さが必要なのです。

響きの浅い発声で歌っていると、声帯はサボり癖がついて運動不足になり、しっかり閉じる筋力が衰えてしまいます。

楽に調整できる範囲で声の響きを深くして、声帯に運動をさせてあげましょう。

喉の空間を開いて響かせる

首まわりや喉に力を入れて、無理に響きを深くしてはいけません。

声を深く響かせるには、喉の空間をやんわりと広げます。

ただし慣れないうちは、喉の空間が広いと、声帯は閉じにくくなります。そのため一時的に息もれが増長するかも知れません。声の状態をよく観察して、練習で使う母音や発声する音域は厳選する必要があります。

正しい喉の広げ方に慣れると、声帯は気持ち良いくらいタイトに閉じて長いメロディーを歌わせてくれます。

喉だけで喉を広げない

喉だけにしか広い空間が出来ない内は、息が持たない状態はなかなか改善しません。

空間の広がりを喉だけでなく広い範囲で感じてあげて下さい。口の奥の突き当たりや口の天井裏など、喉から見れば上の方のエリアです。

協調して運動してくれるエリアが広いと、リラックスというオマケも付いて来ます。

空間を広げる作業と並行して、声帯の筋力を高めてしっかり閉じる練習を組み合わせていく事も重要です。両方が上手く進めば、息を引き止めるより積極的に吐く方が声は楽に伸びます。吐こうとしているのに持続時間は逆に伸びてしまうという不思議な体験をするはずです。

空間に深く響かせるメニュー

声を深く響かせる練習メニューは沢山ありますが、直接お会いしていない方におすすめ出来るメニューはそう多くありません。ここで紹介できるのは、やはり万人に効く限定的なパターンとなります。

「リップロール」ドレミファソファミレドというよくある上下行パターンを出し易い音域で。

「オ母音」リップロールと同じパターンをやはり楽な音域で。

リップロールに関してはQ&A1.5 リップロールを練習すればミックスボイスが出せますかにヒントがあります。

声帯の筋力を高めるメニュー

声帯の隙間を閉じる筋力は必要ですが、力ずくで乱暴に閉じるのは正しい方法ではありません。声帯の筋力を高める練習は、有能なボイストレーナーの立会いもとで慎重に行うべきです。

ここではヒントを2つだけ差し上げます。

まず、声を深く響かせる練習の方を充分こなして下さい。皆さんが思う以上に時間をかける必要があります。こちらを根気良く繰り返して下さい。声帯の筋力を高める練習を行うのは、その後です。

声帯の筋力を高めるには、音階パターンは広い音域をカバーする方が良いです。最初は、喚声点と呼ばれる地声とミックスボイスの境目の音は避けて通るよう音階や音域を設定し、地声から裏声までまんべんなく練習して下さい。

喚声点や喚声点の近くの音の出し方についてはQ&A1.2 どの高さからミックスボイスに入れば良いですかを参照下さい。

呼吸法ももちろん影響する

正しい呼吸法を覚える事も助けになるでしょう。腹式呼吸ではなく、腹式を含んだ全身の呼吸がベストです。呼吸法は本校に優良なレシピがありますが、文章と図だけでは伝え切れませんのでここでは説明を控えます。本当の腹式呼吸のページは少し参考になるかも知れません。

合唱で息が続かないのは

合唱を練習している人に息が続かない人が多いのは、キレイな裏声で発声しようとして声帯をきちんと合わせないファルセットで発声している人が多いからです。

地声の音域でも、ソフトな優しい歌い方を目指すことで、声帯の運動として必要以上に弱くなってしまう場合が多く見られます。

裏声と言っても色々な質感が存在します。声帯がタイトに閉じたヘッドボイスから、ゆるく閉じたファルセットまで、そしてその中間的な音質も含め、人間は実に多彩な声を持っています。当然のことですが、タイトであればあるほど無駄な息がもれないので声を長く伸ばせます。

ファルセットとヘッドボイスの違いについて詳しくは声の種類に関するQ&A 1.04を参照下さい。

地声も裏声もしっかり響かせ、音圧のある声で歌うのが理想です。その上で抑揚を付けて歌います。小さな声にも音圧は必要です。

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